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阿波の遊行弍

言葉の奥底に眠る物語

言葉が音楽へと変わる瞬間、そこには名付けようのない感情が芽生えます。「阿波の遊行弍」では、歌詞の背後に隠された文脈や多層的な意味を、丁寧な思索とともに紐解いていきます。この緻密な解釈のプロセスこそが、楽曲に真の命を吹き込み、聴き手の心に深く永く響き続けるための指針となるのです。

17:宍喰町の団七踊り(安珍清姫) 音頭:上田馬蔵  9分23秒

「団七踊り」については、「DISC1」の

8曲目を参照。宍喰町の音頭名人、上田馬蔵さんによる「日高川」の物語。

 

  ハリセー ヨーイヤナ

  エー七つが八つから

伊呂波を習うて 今ではナ 

  「は」の字を忘れて「色」ば

  かりとは

  うまい音頭じゃアリャないかいな

    ヨーイヤセー ヨーイヤナ

  とはこの踊り子を 揃えておいて

 ヨイヨイ

  何か私が 口説いてみましょ ヨーイヤセー ヨーイヤナ

  古い芸題でありますけれど 安珍清姫 ちょと口説きましょ

  那智のお山の 麓の札所 ひとり山伏 名が安珍と

  同じその家に 清姫というて 幼い時からサテ許嫁

  そこで安珍 清姫嫌うて 岳にのぼりて 峰出で戻る 

 

  やさし清姫 今戻りたぞ 呼べど呼べど 返事が遅い

  障子ひとよで 覗いてみれば 顔は清姫 姿は蛇体

  そこで安珍 こりゃたまらぬと 逃げて行く行く 日高の川よ

  おーい おーいと 船頭を呼んで 申しこれいな船頭殿よ

  早く私を 渡しておくれ 私や後から 敵(かたき)が来る

  女ながらも 蛇体でござる そんな人なら 渡してやろと

  あわて急いで 向こうへ渡す 渡りあがりて 言い置きなさる

  ひとり女は 渡してくれな 言うて安珍 また逃げてゆく

  逃げてゆくゆく 日高の寺よ もうしこれいな和尚さま

  なんと私を かくもうておくれ 私や後から 敵が来よる

  そんな人なら かくもうてやろと 本堂前なる釣鐘堂の

  鐘をおろして 安珍伏せる ここで話が ふたつに分かれ

  このまた口説きが まだ先や長い しばし休んで またやりまする

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