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阿波の遊行弍

言葉の奥底に眠る物語

言葉が音楽へと変わる瞬間、そこには名付けようのない感情が芽生えます。「阿波の遊行弍」では、歌詞の背後に隠された文脈や多層的な意味を、丁寧な思索とともに紐解いていきます。この緻密な解釈のプロセスこそが、楽曲に真の命を吹き込み、聴き手の心に深く永く響き続けるための指針となるのです。

11:佐那河内の神踊り  9分37秒

佐那河内村の神踊りは、旧暦7月15日の夕刻、村内を流れる園瀬川の河原に

 

四本の葉の付いた青竹を立ててしめ縄を張り巡らし、その中で踊る。

 

歌数は、歌本に記されているだけで31種。神踊り王国・徳島の中でも圧倒的に多い。

 

安珍・清姫の日高川の物語や猪熊少将を歌ったものなど、由緒ある歌が多い。

 

「入葉(いれは)」という最初に歌う「御神(おんがみ)踊り」は、「踊りが参る 

 

これより東 伊勢から参る」とあるから、伊勢からの導入、ひょっとして伊勢遷宮の

 

際に阿波に伝わった歌詞かもしれない。

 

「御神(おんがみ)踊り」

  これより東 伊勢から参る 四十五の宝 いただき連れて

  打ち出の小槌 手に持ち連れて 

  お並びよ 皆一様にお並びよ おんがみ踊りはひと踊り 

サアサ(太鼓)

今日今宵のこの踊り 一つは御神ご奉公

今日今宵のこの中に 不浄穢れがあるとても

今日今宵は お許され 

おんがみ踊りはひと踊り サアサ(太鼓)

「御屋敷踊り」

    こなたの屋敷はよい屋敷 東おもてに蔵七つ

    中なる蔵には大黒や 打ち出の小槌を手に持ちて

    百姓そろえて御酒盛り

    前の恵川をみてやれば 花の筏が流れきて

    あれをこなたに掻い込んで 殿になれなれ 旅の殿

    かねで臼を八から立て 白金槌を百こしらえて

    九十九人の米搗く中の 女郎たちは

    どれが目に付く 旅の殿

    かちん前垂れ八重襷 すずしの帷子目についた

    あれを吾等に給るなら お手にやとらずと身にやきずと

    こなたの屋敷に持ち参上

    これの御背戸の蓮池に 鶴と亀とが昼寝して

    あいで千鳥が 酌を取る

     御神踊りは ひと踊り サアサ(太鼓)

 

「燕(つばくろ)踊り」

    つばくろが つばくろが

瀬田の唐橋 擬宝珠の上に巣をかけて

飼子(かいご)を設けて お囀よずる

それを大蛇が聞きつけて 槙の柱をキリリキリリと巻き上がる

そこでつばくろ言いようは 大蛇は子をば育てぬか

それを大蛇が聞きわけて 槙の柱をキリリキリリと巻き下がる

そこでつばくろ喜んで 末繁盛に 世の中良かれと囀よずる

 おんがみ踊りはひと踊り サアサ(太鼓)

「御宝」

    上から五条車が三つくだる 先の車に何積んだ

    恵比寿大黒 積みや下した

    中な車に何積んだ お伊勢の宝を積みや下した

    後な車に何積んだ 諸国の宝を積みや下した

    三つの宝を押し合わせ   

    こなたのお庭に 積みや下した

     おんがみ踊りは ひと踊り サアサ(太鼓)

                   (1973年収録)

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