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阿波の遊行弍

言葉の奥底に眠る物語

言葉が音楽へと変わる瞬間、そこには名付けようのない感情が芽生えます。「阿波の遊行弍」では、歌詞の背後に隠された文脈や多層的な意味を、丁寧な思索とともに紐解いていきます。この緻密な解釈のプロセスこそが、楽曲に真の命を吹き込み、聴き手の心に深く永く響き続けるための指針となるのです。

3:海南町の入れこと  

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 「入れ言」とは、盆踊りなどで、音頭の歌い手が入れ替わるその隙をみて、別の歌い手

 

が、短い面白いことを挟んで歌い、会場を沸かせることを言う。海南町(現・海陽町)に

 

は、「辻踊り」または「慰霊踊り」と呼ばれる盆踊りがあるが、その際に歌われる「入れ

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言」である。

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  おばやんで 弁当もろてきて

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      軽そうだかんで 腹減って

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  よくしーきて たった四口(よくち)に食てしもて

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  この恥ずかしや 免許町

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  賽の河原で 弁当の中は カーラカラ

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    ソラヤートセー ヨーイヤナ

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  おりぶとで 婆さんこの餅ヤなんぼかえ

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  高い高い たかがねじゃ

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  上がってみしゃんせ うまいたか

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  うまいたかから 下見れば

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  情けないのが 中のあん

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  宍(シシ)も食わんのに 宍喰通り

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  雨や霰の 甲ノ浦(カンノウラ)

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    ソラヤートコセー ヨーイヤナー

   

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​

 

地元の言葉で地口を交えているので、意味が分かりにくいが、盆踊りの途中のユーモアが

 

踊り手の笑いを誘ったのであろう。

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「シシも食わんのに宍喰とおり 雨や霰の甲ノ浦」の歌詞は、年の暮れに“節季で候”と

 

言って家々を訪問する「せきぞろ」の定番歌詞で、富田町芸妓・お鯉さんの十八番

 

「せきぞろ」の中でも歌われている。

                                                  (1974年海南町で収録)

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