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阿波の遊行弍

言葉の奥底に眠る物語

言葉が音楽へと変わる瞬間、そこには名付けようのない感情が芽生えます。「阿波の遊行弍」では、歌詞の背後に隠された文脈や多層的な意味を、丁寧な思索とともに紐解いていきます。この緻密な解釈のプロセスこそが、楽曲に真の命を吹き込み、聴き手の心に深く永く響き続けるための指針となるのです。

1: 神山町の地づき歌  52秒

「地づき(搗き)」とは、家や道路などの普請のために、地面を丸太などの道具で搗き固める作業、いわゆる「ヨイトマケ」の歌。小規模のものなら二人掛かり、大規模なものなら16人という大掛かりなものもある。全県下で普請の際に歌われているが、神山町の場合は、歌の切れ目に「ヒョータンジャ」と囃すので、「ヒョータン節」ともいわれる。

 

  愛宕参りに 十七娘を 七人半も拾(ひろ)た

  これも愛宕の ご利生かえ お目出度や

   イヤノー ヒョータンジャ エイトエイ エイトエイ

 

 「愛宕参り」は火伏の神様と知られている愛宕神社へお参りする風習。「愛宕参りに○○拾うた」との歌詞は、地搗き歌ではよく歌われるが、拾うのは普通は「扇子」や「五升樽」などの目出度いものであるが、神山町では「十七娘を」と思わせぶりに期待させておいて、「七人半」とバカバカしく落としている。「半分の娘さん」とはどんな娘さんか?と一瞬思わせてしまうところが、なんとも可笑しい。長時間の力作業なので、こんなおかしい歌詞が好んで歌われた。

                    (1983年神山町神領公民館で収録)

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