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阿波の遊行弍

言葉の奥底に眠る物語

言葉が音楽へと変わる瞬間、そこには名付けようのない感情が芽生えます。「阿波の遊行弍」では、歌詞の背後に隠された文脈や多層的な意味を、丁寧な思索とともに紐解いていきます。この緻密な解釈のプロセスこそが、楽曲に真の命を吹き込み、聴き手の心に深く永く響き続けるための指針となるのです。

19:石井町の麦打ち歌    3分12秒

「麦打ち歌」は、徳島では好んで歌われた。麦を収穫すると乾いたむしろの上に束にして並べ、

 

その上を「かり竿」という竹竿の先にくるくる回る小さな棒を取り付け、リズムよく麦の束を

 

叩いて実を茎から落としてゆく。長時間の作業なので、面白い歌を歌い合いながら進める。

 

今は機械化されたので必要ない作業であるが、この歌の保存のためにも、このかり竿の作業は

 

残しておいてほしいくらいだ。

 

  コラセー

  今年ヤ豊年 イヨホヤ穂に穂が咲いて コラセー

  うちの小草も 藍が成る イホホヤトヨエー

    アラ十八招けば 石でも粉(こ)になる

    持ち上げてドスドス落とさんせ

  米のなる木を イホホヤ草鞋に作り コラセー

  歩きゃ小判の跡がつく イヨホヤトヨエー

    アラ親方酒手はドウジャイドウジャイ

  阿波の徳島 十郎兵衛娘 コラセー

  (義太夫風に)歳は九つ 名はお鶴

  背なに負い弦 杖と笠 アドシタ

  巡礼姿で父母を アヨイショ

  父を尋ねて浪速の玉造り アドッコイ

  巡礼に ヨッ 御報謝と

  門に立つ イホホヤトヨエー

     お庭に唐津は埋けてない

 持ち上げてドスドス落としゃんせーコラセー

  千代と栄えて イホホヤイホホヤ ええ蔵建てて コラセー 

 

  どっと投げ出す 棟の餅 イホホヤトヨエー

    アラ調子揃えてウットケ ウットケ コラセー

  嫁の晴れ着に イホホヤイホホヤ 白無垢着せて コラセー  

  藍で染めたい 家の紋 イホホヤトヨエー 

    藍で染った吉野川 今に変わらん水の色 ソラセー

図9.jpg
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